3ヶ月で会社を辞めたゆとりがブログを書いてみた。

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東大卒ニートの兄にみた、キャリア選択の難しさと間違った「甘え」①

東京大学(理科) (2018年版大学入試シリーズ)

東大卒の兄がこの半年、実家にてニートしている。

私の実家は北陸地方にある。そこには今、兄と両親が暮らしている。

 

兄は昨年までの7年間、東京で過ごした。

そして昨年の終わり、東京での仕事を辞めて、実家に帰ってニートとなった。

 

兄はストレートで東京大学に合格。理系学部に4年間、院でも2年学んだ。

人からみればエリート街道を進んできた人生と言えるかもしれない。

 

しかし現状、まがうことなきニートである。

 

兄と実家の両親(おもに父親)は相性が悪く、

毎日「父親にこんなことを言われた〜〜〜」だのなんだの、お嘆きのLINEが私の元に入ってくる。

お前は、会社のお局さんに目をつけられたOLか。

 

どうやら就活しないことで毎日、嫌味を言われているらしい。

 

別に、兄は鬱とか寝たきりというわけじゃない。

事情があって再就職しないまでも、さっさと家賃分だけバイトして稼いで一人暮らしをすればいいのだ。

地元であれば家賃を3万も払えば、十分住める賃貸物件が揃っているのにどうして家をでないんだろう。

 

イヤミをいう父親父親だが、いい年した息子が実家にいれば、

イヤミの1つも言いたくなるのも当然だろうと思う。

父親の発言の1つ1つに一喜一憂する兄は、素直というか、

何を言われてもウザがる、思春期の少年のようだ。

 

私は兄のことは家族として好きだが、最近はどうも、何かと悪いことがあれば父親のせいにしているように思えて目に余る。

この父親とのいざこざを起こしている兄は、好きではない。

彼は頭がいいのに、なぜこんなに私をイライラさせるのだろう。

(まあ現状ほぼニートの妹に言われるのもシャクだろうが・・・)

 

どうして彼はこんな風になったのか。

彼の持って生まれたパーソナリティーの問題もあるが、特に

父親との強い軋轢が今も彼を毒しているのが一番の原因のようにおもう。

彼のキャリア選択について振り返って考えてみた。

 

受験〜東京大学入学まで 

兄には屈折した父親への反発心があった。彼らはもともと相性が悪かったようだ。

彼の高校時代から、いやもっと以前からいろんな局面でそれによる問題は起きていたのだろう。

兄曰く、一番最初に家族内で辛い思いをしたのは保育園の年中さんの時だそうだ。(よく覚えてんな)

 

脳内がお花畑で、そういった家庭内問題に気づいていなかった当時の私にとって、

一番大きな事件は、兄の大学入試だった。

 

 

兄が大学入試で東大を志願したのは、

「特にやりたいこともなりたいとかはないけど、自分の能力でどこまでいけるか試したかった」からだ、という。天才ゆとりか・・・。

(私の数少ない東大生の知り合いはみんなそんなかんじだ。東大あるあるなのだろうか) 

 

もとから兄と父親とは折り合いがよくなかったが、大学入試の志願を出すときにはそれが激化し、もめにもめた。

兄のセンター試験の結果は芳しくなかった。東大に合格する点数の平均を大きく下回っていたらしい。

合格が危ぶまれるラインだ。

二次試験の出願を前に、父は東大を諦めるように言った。

「東大には危ないかもしれない。浪人はさせないから、地元大学の医学部に入れ」といった。

 

両親は公務員だ。安定している公務員という仕事を崇拝している。

公務員以外の一般企業のことは、ほとんど知らない。

たとえばITでいうならLINEとかヤフー、楽天くらいしか知らない。

そんなビッグネームの企業すら、ITというだけで信用していないかもしれない。

(昔から私たち家族は、新しいものには疎かった)

ブログも野球もしないから、amebaサイバーエージェント)、DeNAあたりになるとあやしい。

 

兄は頭はいいが細かいことにこだわる。こだわりが強く空気が読めない。

社交的で世間体を重視し、せわしなく働き仕切りたがりの父とは相性が悪かった。

 

もちろん親の気持ちとしては、兄は頭いいのだからそれを生かせる仕事についてほしいというのは当然だろう。そのために医学部に入り医者になる。

しっかり稼げる医者になれば、将来も安泰だし世間体も良い。

なにより公務員の親にとっても、身近でわかりやすい職業だ。

 

当時の私は知らなかったが、医学部に入る奨学金制度というのは充実しているらしい。

勤務医になればもちろん給料はいいから、奨学金の返済も問題ないだろう。

今思えば、医者という仕事は、学力と学生時代にかかるお金という問題さえクリアできればとてもコスパの良い仕事だと思う。

兄が奨学金のことを知っていたかはわからないが、「医者は稼げるからなんとかなりそう」くらいは知っていたはずだ。

 

しかし彼は医者になりたがらなかった。

物事への知識欲や好奇心はあるが、それはあくまで研究対象としてだ。

高校時代には、興味の対象が医学には向かなかったのだろう。

 

父親は何かを説得する時、頭ごなしに「〜〜をしろ」ということが多い。だが、

それは論理性を欠いていることも多く、間違った知識や偏見も多かった。

それが今回も裏目にでた。

もともと医学部への興味はなかった兄だが、父の説得によって、さらに反発するようになった。

兄は「絶対に医学部だけは行かない」と言った。

 

(ちなみに一応センター試験の結果をもって地元医学部にも出願していたらしいが、合格していたそうだ。)

  

そうして彼は両親の反対を押し切り東大を受験し、あっさりパスした。

 

 

長くなりそうなので分けます。3部構成くらいでかけたら、いいな。

 

続く。

(90分)

東京大学(理科) (2018年版大学入試シリーズ)

東京大学(理科) (2018年版大学入試シリーズ)