『とりあえず3年』どころか3ヶ月しか働かなかった、ゆとりの話
今日は、タイトルそのままの内容でお送りします。
すなわち、3ヶ月しか働かなかった私自身のお話です。
一昨日くらいから
「会社でとりあえず3年働くのは無駄」
「いやいや、3年は働いた方がいい」
という話題が、ちらほら目に入ってきました。
幾つかこの話題に関するエントリやツイートを拝見しました。
おそらく諸々の発端となったのはこちらの方のツイートだと思うのですが、
「とりあえず3年働くべき」
— 矢野大地@滞在者募集中! (@123Vaal) 2017年9月5日
って言葉が老害すぎてやばい。
3年あったら、ネットで月100万稼ぐことだって難しくない。というかやってる人なんていっぱいいるしな。とりあえず3年働いてしまったが為に、できなくなることの方がよっぽどリスクある。マジで。
ネットで簡単に100万円稼げるかどうかはさておき(言ってみたい)
このツイートのみを切り出して見ているだけでは、
どちらが一方的におかしいとは言い切れないし、どちらも正しいと思うので、
自分からはこれについて、直接的には言及しないでおきます。
ただ思うことはあったので、3ヶ月で会社を辞めた軟弱ゆとりの言い分として、
私の退職の理由や、退職してから1ヶ月半のニート生活を通して考えていたことをまとめましたので、
少し語らせてください。
乱文ですが、どうぞお読みいただければ幸いです。
※ほんの一意見ですので悪しからず・・・。
私が3ヶ月で仕事を辞めた理由
私が3ヶ月で仕事を辞めた主な理由は以下の通りです。
①「思っていた仕事と違う!」
②「職場の雰囲気がクソ!」
③「3年働いても自分のやりたいことができない!」
以下、説明します。
①「思っていた仕事と違う!」について
きっとこれは99.9999%の新入社員が、一度は考えることだと思います。
新入社員は大抵上司から言われたことや、至極簡単な仕事から始まるので、
「大きなプロジェクトに関わりたい!」と息巻いて会社に入ったら
毎日基礎練というか雑務みたいな仕事を任せられるので、がっかりする人もいるかもしれません。
というか、私がかなりがっかりしてたクチでした。笑
(だって全部システム外注すれば自動化できるようなことばかり押し付けられて、そのせいで残業祭りしてたんですもの。笑)
ですがまあ、経験がないうちは、多少退屈でもしょうがないと思うのです。
いわゆる「下積み時代」ってやつですね。
私は単調作業が苦手でしたが、それによって会社を辞めるというほどではありませんでした。
仕事の内容云々より4時間の残業が嫌でした。
自分は①だけだったらきっと会社を辞めていなかったと思います。
OMGさんのツイートをお借りするならば、会社にいるだけでもこのようなメリットがあると言います。
私も全体的にこちらのツイートに共感です。
とりあえず3年社会人やると得られるメリット
— OMG👁🗨 (@omgoxorg) 2017年9月6日
①社会人のルールやマナーが身につく
②新人→半人前になり仕事を任せてもらえる
③大抵仕事で大失敗するが、上司にフォローしてもらって自分に足りないものを知れる
④会社の看板を借りて普通では出会えないような人と仕事ができる
(ただしこれもパワハラ上司がいる職場や、人材育成の視点のない会社では機能しないと思われます。②で述べます)
②「職場の雰囲気がクソ!」
これはきつかったです。
毎朝出社する職場の空気が悪すぎて、めちゃくちゃデスクに居づらいし、声もかけづらいのです。
本当にほぼ、業務連絡以外の会話をしないのです。
冷戦でもしてるのかと思った。
私のいた部は8/10人が20代の女性で構成されており、
めちゃくちゃキラキラした綺麗系のお姉様方ばかりだったので
「わ〜目が眩しい〜これがキラキラ広告系女子か〜〜〜」くらいに思っていました。
しかし次第に疑問が生まれました。8/10人が20代の女性の部なのに、
おしゃべり、というものが発生しないのです。なぜ。
仕事に集中したいから雑談しない、とかいうレベルではありません。
そして1年上の先輩方は、常に部長の顔色を伺い、怯えている
そんなかんじがしました。
結論から言うと、
職場の空気の悪さの元凶は、
部長への恐怖心でした。
部長は、28歳で部長を任された方で、
頭はキレッキレで仕事もできる人でしたが、彼女自身が仕事ができるだけに、
他の人のレベルに合わせることができず、マネジメントが未熟すぎたのでした。
これは先輩の話なのですが、曰く、
先輩が新入社員として入社した前の1年間はちょっとしたミスをしただけで、
『なんでこんなミスするわけ?ぶっ殺すよ?』
『なんでできないの??いっぺん●ねば???』
・・・と、いう罵声を浴びせられていたそうです。ほぼ毎日。
しかも、部長だけではなく、
チームリーダー(これも女性)も同様に罵っていたそうです。
先輩は前の1年間は毎朝、
「今日こそ会社辞めてやる」と思いながら出社したそうです。
私自身が部長陣に罵倒されたことはありませんでしたが、
そういったおっかない雰囲気はひしひしと感じており、
胃を痛めておりました。
このエピソードを聞いたのは私が会社を辞めることが決まってからでした。
先輩自身がそっと漏らしてくれたのですが、
「先輩はよく出社続けられたな」と思いました。
また、その先輩だけではなく、
私が配属された部のメンバー全員が同じような罵声を浴び続けてたそうで、
それによって部の空気は常に氷点下以下、ギスギスした1年間を過ごしたそうです。
私が入る前に部長が婚約したことによってかなり空気が和らいだそうです。愛は尊い。
それでも、とてもじゃありませんが信頼関係で結ばれた、あったかい職場とは言えませんでした。
部長の恐怖政治といっても過言ではありませんでした。
部長のことはそれまで個人的には尊敬していたのですが、
いろいろあり、私は結果として部長と打ち解けることはできませんでした。
最後の面談のときの、部長の見開いた眼が今も忘れられません。
また、私の所属していた部は慢性的に仕事を抱えすぎており、
多忙によるストレスで部の人同士で話す元気も、
ミーティングに次ぐミーティングで、時間も余裕も無いようでした。
私は先輩に聞けそうな時には質問をしに行きましたが、
「声をかけてはいけない」という場面が多すぎて空気を読むのも大変でした。
そんな中、午前3時くらいまで毎日仕事をしながら、
私に翌日の指導のメールを送ってくれる指導係の先輩(2年目)が
不憫でしょうがありませんでした。
そんなこんなだったので、前述のツイートのような
とりあえず働くことで得られるメリットはあまり得られず、
代わりにストレスによる胃痛を手に入れることとなりました。
③「3年働いても自分のやりたいことができない!」
自分にとって一番の退職の決め手になったのはこれでした。
会社で仮に3年後自分ができる仕事や働き方と、
「自分が将来的にやりたいことや、目指す人生とのミスマッチがはっきりしてしまったから」
というのが退職の大きな理由でした。
これは自分がちゃんと就活の段階で、会社のことを知ることができなかったということも、原因だと思います。
OB/OG訪問もろくすっぽしなかった私は、
「忙しいって聞くけどたいしたこと無いでしょ。若さで乗り切る」
などとたかをくくっていました。
完全に若気の至り、勘違いでした。
ですが会社も、会社の実情以上に、自社をよく見せようとしています。
「東証一部上場!」
「○年連続○%成長!」
「やりがい!!」
そういった、一見「素晴らしい会社と思われる」外面的要素に、
バカな私のような就活生が騙されてしまうのです。
一部上場であろうが、内実はマネジメントのマの字も、信頼関係もない
ただのブラックどベンチャーですし、
収益が伸びているのは、
給料以上に体を壊して長時間労働を頑張っている先輩社員がいるからです。
(2年目以降は成果報酬だったこともあり、
成果を出すために死ぬほど働く先輩がたくさんいました)
あと、入社前にはボーナスをもらえると聞いていたのに、
入社した年はボーナスはもらえないと判明し、絶望しました。笑
また仮に私が会社で3年働いたとして
(私がいた会社で3年も働けば部長やチームリーダークラス、古株です。笑)
この生活、仕事を続けていても、
自分のやりたいことは到底、実現できそうもないと気づいてしまいました。
私が将来やりたいことのために、会社を辞めたい旨を部長に告げると、
めちゃくちゃキレられ、寝不足のものすごい目で睨まれました。
「あなたみたいな人が、別の場所であろうと信頼関係を築けると思ったら大間違い」
という、また呪いのような言葉をかけられました。
(彼女にはたくさんのトラウマをもらいました。笑)
その他の呪いについては下記をご参照ください。
3ヶ月で辞める人間にはそのくらい言わないと、
向こうの気持ちも治らないのかもしれないけど・・・
正論かもしれないけど、そこまで言わなくてもいいじゃないですか・・・。
会社を辞めることは甘えや諦めじゃない
さて長々と退職した理由を述べましたが、
きっと私よりも上の世代の人には、「甘え」や「諦め」のように見えるかもしれません。
確かに社会人としてのスキルや仕事の習得が目的であれば、
1つの職場で長く働いた方がより多くのことを学べるのは間違い無いと思います。
会社の先輩や上司の仕事を盗むことで、成長速度はぐんと上がるでしょうし。
事実、私がいた3ヶ月間、いろいろありましたが、たくさんの仕事を盗ませてもらいました。
たくさんの学びがありました。
でも、
残業という名のプライベートの拘束
上司(そして人事も)からの面談・指導というな名の圧迫
自分のキャリアの選択ミス
そんな恐ろしいもの、不確定要素、過去の過ちに、煩わされ振り回される方が嫌なのです。
また経験を積み、昇進すれば、今の自分よりいくつも上のレイヤーから仕事が見れたり、別な楽しみを知ることができるかもしれません。
辞めたのはもったいなかったとも思っています。
でも後悔はしていません。
「新卒で入った会社」にしがみつく必要はない
社会のことがわからない学生が、自分の偏見と説明会やネットで得たマユツバな社評を鵜呑みにして、
「この会社は自分に合う会社だ!」と勘違いするのは当たり前じゃないでしょうか。
今の時代の学生は、リクナビやマイナビで数十社エントリーするのが当たり前です。
とりあえず大手にエントリーしまくる人も多いです。
私の辞めた会社の同期にも、同業界の企業だけで20社受けたという人もいます。
たくさんエントリーしてもなかなか内定がでなかったとき、
ポンと内定をくれる企業に対し、
「自分を拾ってくれた」
「認めてくれた」
と思い、その会社に恩義を感じて入社する人も多いです。
私もちゃんと内定をくれた数少ない1社がそこだったので、
入社するときには嬉しさでいっぱいで、精一杯仕事を頑張ろうと思っていました。
ですがそれは間違いでした。私にとっても会社にとっても。
私は、新卒で入った会社で、しがみついてでも働けばよかったのでしょうか?
私は違うと思います。
前回の記事でも書かせてもらいましたが、
本当にやりたいことが実現できる環境で働けるのであれば、岩にもしがみつく勢いで働こうと思っています。
本当にやりたいことであれば3年やっても苦にならないでしょう。
でもやりたいことじゃなかったから苦しいんであって。
それを
「3年乗り切ったら急に仕事が・世界が・楽しくなる」
というのは信じられないです。
3年もあったら、別のことやります。
1社目で満足できなかったら、そこにしがみつかず、
早々に2社目に転職活動をするなり、身の振り方を考えるのが良い。
そして新天地で、満足行くまで働くのが良い、そう思います。
「この仕事辞めたいな」と思い続けて死ぬほどにつらい3年間だったら、
好きなことやって、のたれ死にたい。
例えば、こんなブログでさえも読んでくれている人もいる。
好きでやっていることで認められるんだったら、どんな小さなことでもそれでいいと、満足することができます。
私はそっちのほうが魅力的に思えます。
長期的なキャリアを考えるともちろん、
3年くらいとりあえず働いたほうがいいのでしょう。ですが、
コミュニケーションも信頼も築けていない職場で、
一人憂鬱に耐えながらやりたくもない雑務や無茶ぶりに応え、
パワハラまがいに耐えながら仕事をするのであれば、辞める方がまし。
・・・そういうわけで、晴れて会社を辞めた私は、
1ヶ月の間、家でずっとネットサーフィンしたりアニメ三昧していました。
めちゃくちゃ楽しかったです。(笑)
今更ながらシュタゲ面白かった・・・。
会社じゃなくても人と仕事をすることはできる
ネットを介したコミュニケーションは『楽しい』
ここまで散々会社での仕事の悪口(笑)を書きましたが、
対して、私はネットを介して人と仕事をするのは好きです。
私がいま仕事を受けている、クラウドソーシングの話をちょこっとさせてください。
前職は広告業界の企画営業でしたが、9月から駆け出しのデザイナーとして仕事をいただいています。
クラウドソーシングとはネットを介して仕事を頼んだり、仕事を引き受けたりできる、ネットを通じた仕事創造のことです。
ネガティブな話をすると、
クラウドソーシングでの仕事は相場よりもずっと安い金額で、
「地雷クライアント」と言われる人が無茶振りをしてくることがあります。
クライアントからしても、得体の知れないフリーランスに仕事を頼むのは怖いでしょうし、
誰にでも任せられる簡単な仕事だけ、安価に任せるという人も多くいます。
またコミュニケーションの手段は、基本的にチャットでのやりとりのみになるので、
人と人との対面しての会話がないから、
気持ち悪いと感じる人もいるかもしれません。
それでも、私はクラウドソーシングをして、初めて
『仕事は楽しい』と思うことができました。
ネットで「仕事だけ」を都合よく受けているという意識は持っていません。
どんな仕事もコミュニケーションも責任も生じます。
自分の作ったものに対して、コンセプトや、要素の1つ1つに込めた思いを
丁寧に説明したりします。
自分で請求書を書くこともあります。
ネットの世界で個人で挑むからこそ、実力主義。
下積みの経験はできないから長期的なキャリアでいうと他のデザイナーと比較して不利かもしれませんが、コンペにエントリーするだけでも、少しずつでもデザインスキルは上がります。
ネットを介してでも、仕事であっても、
人とコミュニケーションを取れるのは『楽しい』です。
今の私には、いろんなトラウマを抱えながら転職活動しなくても、
仕事をもらえて食いつなぐことができることは、どれだけありがたいか。
そしてうまくやれば継続して仕事をもらえるかもしれないこと。
仕事を通じて、温かな人間関係を築けるとも、思っていること。
それらすべてが希望に思えて、楽しいです。
私がいまやっているクラウドソーシングの仕事は前の職場で扱っていたような
クライアントの予算と比較するとごくごく小さいものですが、
小さいプロジェクトだけに、目の前の人が、
自分の仕事で喜んでくれるという実感は、何物にも変えがたい喜びです。
『とりあえず3年』は人それぞれ
私の同期で、会社に残っている人には、殺人級の仕事をこなし続けている人がいます。
すでに9月、10月の週末は全て仕事で埋まることが確定した人もいます。
私がいち早くドロップアウトした会社で今日も、自分のために、仕事を頑張っている人がいます。
「会社で大きなプロジェクトに関わるため」
「転職先でより良い会社を捕まえるため」
「コネを作って、将来独立して会社を作るため」
彼ら・彼女らは、そういったそれぞれの自分の将来のために
『とりあえず3年』を目指して働くのでしょう。
厳しい環境で磨かれた彼らはどんな社会人になっていくのでしょうか?
そして私は・・・?
『とりあえず3年働く』ことの効果は、数年後にわかることでしょう。
それまでに自分も彼らも、どんな風に変わるのか、楽しみにしています。
終わりに
長いエントリを読んでいただきありがとうございました。
退職から1ヶ月半が経ち、ようやくこの話がかけて嬉しいです。
ずっと、会社を辞めて良かったのかとか、
このままニート的生活を続けていいのかとか、
頭で考えては、もやもやして苦しい日々でしたが、
「自分で頑張る」ことを決めた決意表明がてら、このエントリを書きました。
ちなみに、私のやりたいことというのは、自分で
5000兆円稼げるようになることです。
嘘です。
(あながち嘘じゃないです。)
どっかにニートが5000兆円稼ぐ方法、落ちてないですかね。
知っている方いらっしゃいましたら、教えてください!
おしまい。
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